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フレンズ研究賞2017 自薦者分野分析結果の公開

こんにちは,lumelyです.
日曜に気晴らしに数時間程度でかけるテーマで何か書こうと思い,ネタ帳から4つテーマを引っ張りだしTwitterでアンケートを取りました.

結果として,一番調査に時間がかかる「フレンズ研究賞自薦者の分野分析」が最多となったので,責任を取って分析しました.

3行でまとめ

  • フレンズ研究賞2017 自薦98件の分野を科研費の分類を元に分析し,結果を公開した
  • 4つの系(総合, 人文社会, 理工, 生物)レベルではほぼフラットに分散した
  • 文科レベルでは機械学習に関する題目と,超新星に関する題目が比較的多かった

目次

 

分析方法

  1. 日本学術振興会が公開している,科学研究費助成事業における平成29年度の系・分野・文科・細目表 付表キーワード一覧を用いる
  2. 自薦題目から手作業で最も研究に関係がありそうなキーワード(Aとする)を抽出し,1.のキーワードから最も類似すると思われるもの(B)を1つ選択する
  3. A及びBに紐づいた細目名,文科,分野,系のうち,細目名以外を記録する
  4. 全ての自薦に対し2, 3を行う

私はガウスのようにあらゆる分野に精通しているわけではないので,分類は非常に難しいものになりました.科研費の申請においては細目レベルは変わることが多々あり,門外漢である私の分類にあまり意味はないと考えられたため細目は結果からは除外しています.

 

分析結果

結果はフレンズ研究賞Webサイトで公開しました.TSVも合わせて公開しているため,テーブルが見にくいという人はこちらをご利用ください. Excelがあればフィルタやピボットテーブルが便利です.

分野レベルまでの集計を図1に示します.私は情報工学出身であり,科研費に出すとしたら総合系の情報学で,情報学基礎,計算基盤,複合領域のいずれかに出します *1が,それが突出しなかったのは非常に興味深いです.仮説として,私に近しすぎる人はこのような研究賞に出しにくい *2ため,こぞって遠慮したため情報学が伸びなかった,という可能性が挙げられます.

それにしても,全分野からここまで幅広くご応募いただいたのは大変驚きでした.おかげでテストバッテリーやCEFR,トカマクという今まで全く聞いたことがない用語を調べることができました.今回はそこまで広報に力を入れませんでしたが,ある程度広く認知いただいたのは嬉しい限りです.

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図1. フレンズ研究賞2017自薦者の分野分類

 

今後の予定

  • Twitterキャンペーンの抽選コードを書いて早くAmazonギフト券を渡します
  • 一通りできる分析は終わって一区切りついたので,プレスリリース出したいです
  • 科研の採択において,分野で採択の偏りが出ないように正規化をしていますが,フレンズ研究賞でも似たようなことをやった方がいいかを検討します.その場合,今回の分析で少なかった,あるいは項目自体なかった文科レベルのテーマは採択確率が上がりますので,奮ってご応募いただければと思います.

 


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*1:2017年度の若手Bは図書館情報学・人文社会情報学のB(人文社会情報学)で取っています

*2:特にポケットマネーと知っていれば